2024年8月2日から8月5日にかけて、株式市場は大暴落しました。下落幅としては過去最高、下落率でもブラックマンデー以来の第2位となりました。
時は移って8/14(水)。
前日の日経平均終値は36232円。暴落は無かったことになり、8/2の水準に急回復しています。
今回僕は信用で買い向かいました。その結果、そこそこの利益を得ることができました
引けにかけてもう一段階安いセール価格でしたね。歴史的1日でした。 https://t.co/gR907I37JO
— ナポレオン (@hitujinv) August 5, 2024
この時のポジションは利確できたし、現物の含み益も少しずつ戻ってきた。 https://t.co/e2DG6kuNcS
— ナポレオン (@hitujinv) August 13, 2024
暴落時に買う。
口で言うのは簡単ですが、実行はかなり難しいです。私自身、今回は正直ラッキーだった点がいくつかありました。
本日は【私がなぜ暴落に買い向かっていったのか、暴落時に何を考えていたのか】をリアルな視点でブログに書こうと思います。
最初に断っておくと、あくまで私の個人的思考に過ぎないです。相場観もあくまで当時のものです。
その辺りを踏まえたうえでご覧いただければと思います。
8月2日(金)
8/2は株式市場を見る時間があまりなく、「なんか暴落してる」くらいの感覚しかありませんでした。
7/31(水)に日銀から久方ぶりの利上げ(0.25%)の発表があったことは把握していたものの、この時点では8/2の株価の下落とリンクして考えていませんでした。
「なんか安くなっているし拾ってみるか」
そんな浮ついた感覚で元々欲しかった銘柄を信用で少額買いました。
このとき作ったポジションは少額だったので致命傷にならずに済みましたが、この時に作ったポジションは結果的には損切り撤退となりました。
8月3日(土)〜4日(日)
8/3、8/4は休場日でしたが、この2日間でようやく8/2(金)の暴落が尋常ではないことを把握しました。
というのも時間外の先物でさらに大幅下落し続けていたこと、監視しているインフルエンサーが緊急動画を出していたことなどからただ事ではないと感じたからです。
とはいえ、信用ポジションは少量だったので心持ちは穏やかでした。
【まぁほぼ現物だし、いつかはまた上がるだろう】
もし大量の信用ポジションを抱えていたらこんな気持ちでは決していられなかったと思います。次に時間外での先物暴落を鑑みて、次に取るべき行動を考えました。具体的には「買うのか売るのかホールドか」という選択です。
8/5(月)については
【基本的には信用建で買い増しする】
という方針でいくことに決めました。
理由としては
・確かに日銀の利上げは拙速すぎた印象はあるが、もともと市場で噂されていたことで今回のパニックは一時的なショックだと考えたこと。
・日本株は決して割高水準ではないと思っていてその見通しに変化がないこと。
・識者からも悲観論がみられ、雰囲気が総悲観に近かったこと。「楽観論は初心者、悲観論こそ玄人」のような世論が作られていると感じたこと
このあたりが挙げられます。
とはいえ、葛藤がなかったかと言えば嘘になります。具体的には以下の葛藤がありました。
・もし見立てが外れて市場が長期間低迷したら含み損の信用ポジションを抱えて生活しなくてはならない、そしてそれは生活上相当なストレスになる。結果的に損切りという決断になる可能性も十分ある。
・万が一リーマンショック級の暴落になれば追証になる。追証になると再帰するまでに相当な時間がかかる。
このあたりを考えました。でもこの2つの葛藤はラッキーなことに乗り越えることができました。
前者に関しては
【損切りになったとしても今年の利益を吹っ飛ばす+アルファくらいだろう。致命的ではない】
後者に関しては
【仮に追証になっても信用倍率2倍までならば借金にはならないだろう。また、サラリーマンなので生活にはまったく影響ない】
こんな感じで整理ができました。そのため、今回はリスクを承知で買い向かうことにしました。
8/5(月)
暴落した局面で、本当の底になる時間はごくわずかだと思ってます。
僕は相場の底がどこなのか、3つの可能性を考えました。
- 【8/5の9:00~9:30】
- 【8/5の14:30~15:00】
- 【翌日以降】
これらの仮説に基づいて、それぞれ1/3ずつ買おうと決めました。自分ルールで信用倍率は2倍(現物分)までです。
さて、8/5(月)の9:00になりました。寄り付きは予想通り暴落。9:03になっても寄りつかない銘柄が多くてびっくりしました。こんなことははじめてです。その後少しして当初の予定通り、購入予定額の1/3を買いました。
これで前場の買いは終わりです。
その後は相場の観察です。といっても1時間に1回くらいですが、観察の結果、多少リバウンドがあったもののさらに下落しています。①の仮説は外れました。
次の勝負は②後場の引けです。①で作ったポジションはそのままにします。後場で相場はさらに崩れました。当初の予定通りポジションをさらに積み増しました。
相場はパニック状態でしたが、この水準は長期でみればかなり割安水準なのでさらに下に行くことはあまりないだろうという気持ちがありました。

8/5(月)14:50時点
8月5日(月)時間外
8/5の株式市場。歴史的な暴落で幕を閉じました。
暴落の影響で追証売りが本格化するという噂もちらほらあり、まだまだ下落は止みそうにありません。
そうなると③の可能性を考えなくてはなりません。正直③はあまり起きて欲しくないと思ってました。
③の底当てゲームは①②と比べてリスクが段違いだからです。
火曜が最安値なのか、水曜なのか、それとも来週なのか。ポジションの保有時間が長ければ長いほど、価格変動リスクは増大します。また、ずっと暴落し続けたとしたら、月曜に作ったポジションはかなり含み損が膨らんでいるはずです。そうなるとあまり買い向かうことができません。
時間外は久しぶりにヒヤヒヤしました。若干戻し基調で安心したと思ったのも束の間また下落しました。結果的にはこの時が底でした。とはいえ、この時間はあまり相場を見られませんでした。

Screenshot
結果的には株価は復活していくのですが、時間外の動きは想定不足でした。レバレッジが高い先物だったら耐えられなかったかもしれません。
8/6(火)以降
落ち着かずに早朝に起床。先物を見て、寄り付きは多少戻しそうだとわかりホッとしました。
次は出口戦略を考える予定・・・でしたが、正直忙しくて大して考えられませんでした。
最初から短期トレードの方針だったので、週内にクローズすることだけは決めていました。
結果的には8/7(水)あたりから段階的にクローズしました。正直かなり雑でしたが、まぁエントリーが良かったので利益が出たという感じです。
段階的にクローズせずに全銘柄引っ張ってからクローズすればもっと利益が出たのでは?と皮算用したくなりますが、乱高下局面では早期にリスクを落としていく方が重要だと思います。株価が下げたらまた入ることも可能になるので、この選択は正しかったと思います。
その他
銘柄選定
暴落時に具体的にどの銘柄を買ったのか?
銘柄選定については触れていませんでしたが、①日経平均のレバレッジETF②時価総額1兆円超の大企業製造業株、③時価総額500〜1000億前後のバリュー成長株、④時価総額200億円以下のグロース株あたりを同額程度買いました。
銘柄選びは適当でしたが、①④は8/5の前場(④は8/2にも一部購入)、後場は②③を中心に買いました。結果的には①、②、③は儲かって、④は損切りでした。
④のような流動性が低い銘柄はこういった市況トレードに向いていないですね。考えれば当たり前ですが、しっかり整理できていませんでした。
感想と反省|相場との距離感がちょうどよくてラッキーだった。
先物ではなくて信用買いで助かった。
今回は余力の現金がほとんどなかったので信用買いになりましたが、これはラッキーだったと思います。
もし現金が積み上がっていれば日経平均の先物を買ってたはずです。もし先物を買ってたら8/5後場の暴落は下落幅が大きすぎて耐えられなかったかもしれません。そういう意味で信用買いという戦略をとらざるを得なかったのは、後から振り返ってみれば非常にラッキーだったと思います。
事前の準備に改善点あり
あとから振り返ってみると、決して洗練されているとは言えない思考と行動ですね。銘柄選定なんかも酷いです。ただ、断っておくと突然の暴落でそこまで思考が回らなかったので仕方ない部分もあるのかなと思います。
銘柄選定が雑になったのは「(個別銘柄が)下落した時に買うリスト」と「市況暴落が来た時に買うリスト」が1つになっていたのが原因です。今後のことも考えて、これらは分けて整理したいと思います。
今後の戦略
最後に今後の戦略です。
当面は強気です。今まで通り、日本株へのフルインベストメントを維持する予定です。また、今回の暴落の教訓は以下です。
- 市況暴落時に買うリストを準備しておく
- 常に観察と疑いの目を欠かさない
「暴落=買い」ではありません。今回と同じ理由で再度暴落することはまずないので、次の暴落で買えるかどうかは別問題です。
常に観察と疑いの目を欠かさないことを肝に銘じたいと思います。それはこの映画から学びました。
(参考記事)「国家が破産する日」を観て考えたこと。
今日は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。