食わず嫌いでいままで読んでいなかったことを後悔しています。
“普通の人"でも株で1億円! エナフン流VE(バリューエンジニアリング)投資法
最近この本を読んで勉強中です。
今日は本書を紹介しつつ、バリューエンジニアリング投資について語っていこうと思います。
バリューエンジニアリング(VE)投資とは何か
バリューエンジニアリング投資と聞いてもほとんどの方は聞いたことがないと思います。
著者の分類によるとバリューエンジニアリング投資とはこのような位置付けになるそうです。
VE投資のキーワード
要はバリュー投資とグロース投資の中間みたいな投資手法です。もう少し詳しく説明すると相対的な割安感を確認しつつ、「厖大な数の人がいないこと」「パニック状態であること」「変化への想像力を働かせること」をエッジとして期待値を高める手法のことです。
「割安感って具体的にはどれくらい?」などといったVE投資の詳細については本書をご覧いただければと思います。
VE投資の5つの原則
VE投資を成功させるためにはいくつかの原則があります。本書では5つの原則が書かれていました。
- 2倍以上狙える株のみを買うこと
- 3~5年長期保有すること
- 5~10銘柄に集中投資すること
- 先の明るい企業にだけ投資する
- ボーナスポイントになりそうな材料を探す
詳しくは本書に譲るとして、これ以外に「混乱期は素直に先の明るい割安成長株を探すほうがよく(過剰に株価が下がるので)、安定期では慎重に投資先を検討する必要がある」という記述はなるほどと思いました。
(最近話題になっている投資家の井村氏がサイボウズを2倍にしたのも混乱期の手法ですね)
個人的に勉強になった点
次に個人的に勉強になった点について書いていきます。
ボトムアップとトップダウンの分析を併用する
膨大にある銘柄の中でどの銘柄に投資するのかというのは永遠の課題です。
本書では「ボトムアップ」による分析と「トップダウン」による分析を併用することを推奨していました。
ボトムアップとはPERやPBRなどの指標面や四季報コメントなどから割安銘柄や成長銘柄をスクリーニングする手法です。トップダウンとはやキーワードや世の中の変化・ブームから投資ストーリーを作り恩恵を受けられそうな銘柄を探していく手法です。
この2つを組み合わせることで保有する銘柄を絞っていきます。
投資ストーリーの記録が下落時の拠り所になる
本書は単なる株式分析の本ではなく投資家のメンタルについての記載もあります。
そこで参考になったのが「投資ストーリーをメモしておく」ということです。
具体的には投資ストーリーだけでなく、スクリーニングの詳細やアイデアをメモしておくことを推奨しておりました。
このようなメモが銘柄の売却時の判断の参考になるようです。
これは非常に参考になりました。
私の考察
最後に考察です。まずはじめに言うとこの本の手法は個人投資家であればかなり有効です。勉強になる点がたくさんあります。
そのうえで一言。
「合理的な推論のみでインデックスを超えることは難しい世の中が来るんじゃないか」
ということです。
著者のアプローチは非常に合理的に思います。納得感はありますし、現状の日本株であれば機能しそうな戦略です。
ただ、そのうちAIが発達するとこの手法では儲からなくなるのでは、と思いました。テキスト解析が進み、情報の分析はAIになる時代が間違いなく来るはずです。そうなると今回のようなスクリーニングで割安な株を見つけることが徐々に困難になってくるのではと思いました。
言い換えれば、AI時代では指標やストーリーといった眼に見える要素ではなく、それこそ「想像力」や眼には見えない「経営者の手腕」が重要になってくるように思いました。
おわりに
以上、VE投資についてでした。
まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。頭のいい方だと思いました。この著者の他の著書も読んでみようと思います。
“普通の人"でも株で1億円! エナフン流VE(バリューエンジニアリング)投資法
今日は以上です。