こんにちは。
さて、今日も金投資のお勉強をしていきたいと思います。
前回記事はこちら。
金投資のお勉強1|金投資の特性・需給・価格推移(長期チャート)
前回の記事では金投資のポジティブな面を中心に解説しましたが、今日は負の側面である金投資のリスクに注目して説明していきたいと思います。
金投資のリスク
金投資には大きく分けて2つの方法があります。
- 金現物を買う
- 金価格と紐づいた投資信託・ETFを買う
(正確には金先物を買うという手段もありますが、「投資」と言えるか微妙なので今回は除外して考えます)
金現物と投資信託・ETFでそれぞれ考えるべきリスクが異なります。それぞれ分けて説明していきます。
金現物→盗難リスクや偽造リスクに注意
まずは金現物から。
ここでいう金現物とは金地金投資、金貨投資などを指します。
こういった投資の場合、一般的には金を自宅で保管することになります。
そのため、金を盗まれてしまうリスクがあります。(盗難リスク)
また、金現物を買う場合、偽造された金を買ってしまうリスクがあります。(偽造リスク)
ちなみに、偽造リスクには2種類あります。
- 本物の金でないもの(純度の低い金など)を買ってしまうリスク
- 本物の金だが偽造された刻印のものを買ってしまうリスク
前者は金ではない偽物の何かを買ってしまうことで、素材としては比重の近いプラチナやタングステンなどが代用されることが多いようです。
後者はどういうことでしょうか?本物の金であれば問題ないのでは?と考えがちですが、実はそんなことはありません。
金はちゃんとした生産施設で生産されると刻印が印字されます。
刻印には生産地や純度などが表記され、中古売買市場ではその情報をもとに価格が決まり売買されます。
しかし、なかには違法に採掘・生産された金もあり、刻印がなかったり正規の刻印ではないことがあります。
そうすると、たとえ本物の金だとしても中古売買市場で正規価格で売買されないのです。
金の刻印については下記の記事が参考になります。
(参考記事)貴金属の刻印とニセモノの見分け方をプロが伝授!
投資信託・ETF→信用リスク・価格乖離リスクに注意
投資信託・ETFを買う場合、盗難リスクや詐欺リスクを考慮する必要はないでしょう。
一方で、投資信託・ETFの場合に特に注意すべきは信用リスクと価格乖離リスクです。
信用リスクとは金を実際に保有するマザーファンドや投資信託販売会社が経営破綻してしまう等のリスクを指します。
投資信託やETFの場合、金を手元に保管しているわけではないので、保管先や運用先の経営リスクを免れられません。
価格乖離リスクとは金価格と投資信託の売買価格が連動しないリスクを指します。
投資信託は商品設計上金価格と連動していても、それはあくまで原則論です。
実際の価格は買い手と売り手のマッチングで成立しています。
金価格と投資信託の価格は一時的に乖離する場合があることを念頭におきましょう。
(価格乖離は根本的な問題でなければ、いずれ修正されます)
流動性の観点から投信/ETFのほうがおすすめ
以上、金投資のリスクを整理しました。もう一度、まとめます。
- 金現物の場合に、盗難リスクと偽造リスクに注意すべし。
- 投資信託・ETFの場合、信用リスクと価格乖離リスクに注意すべし。
上記を踏まえたうえで、金現物にするのか投資信託/ETFにするのかについてですが、個人的には投資信託/ETFのほうがおすすめです。
理由は大きく2点あります。
- 金現物投資の場合、買付/売却時にかかる手数料が投資信託/ETFより高くなってしまう
- 流動性が投資信託/ETFに比べて劣っているから
どちらか悩んだ場合、金投資の目的に立ち返ってみるのがいいと思います。
僕の場合は金投資を通じて利益を上げることが主な目的です。そのため、売却が容易で手数料が少ない投資信託/ETFのほうが魅力的です。
反対に「金を安全資産として生涯にわたって保有したい人」や「金投資はしたいけど証券会社を使いたくない人」の場合は金現物投資なのかなと思います。
ゴールドの投信/ETF
国内上場しているゴールド系の投信/ETF
- 1326 SPDR ゴールドシェア(信託報酬:0.44%)
- 1328 NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(信託報酬:0.55%)
- 1540 純金上場信託(信託報酬:0.539%)
- 1672 Wisdom Tree金上場投信(信託報酬:0.429%)
米国株市場で上場しているゴールド系の投信/ETF
- GLD…SPDR Gold Trust(信託報酬:0.40%)
- IAU…iShares Gold Trust(信託報酬:0.25%)
- GDLM…SPDR Gold MiniShares Trust(信託報酬:0.18%)
- SGOL…Aberdeen Standard Physical Gold Shares(信託報酬:0.17%)
信託報酬を考えれば米国株市場に上場しているGDLMもしくはSGOLが一番よさそうです。
ただし少額投資の場合や米国株の手数料が気になる場合は国内上場ETFも選択肢に入ってきそうですね。
おわりに
以上、金投資のリスクと投信/ETFの紹介でした。
次回は金投資のデメリットと金鉱山株などについて考えていきたいと思います。
今日は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
(次回記事)
金投資のお勉強3|金投資のデメリットと金鉱株との比較