どうも。
先日大変衝撃的な本を読みました。
[wpap service="with" type="detail" id="4296101625" title="アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る"]
アフターデジタル
これからの未来がどのように変わるのか、デジタル世界(ネットの世界)がどのように進化していくかについて書かれた本です。
今日は「アフターデジタル」の内容と個人的な感想を書いていこうと思います。
「アフターデジタル」が示すネットの未来

■オフライン=接点のひとつ。オンラインが世界のすべて
2020年現在、日本は「オフライン=主、オンライン=従」の世界に生きています。オフラインとはリアルの世界、オンラインとはネットの世界のことです。
たとえば、店舗でデジタルを導入するというと、「店舗にデジタル機器を導入する」などといった導入が主流です。つまり、オフラインをより便利にするためにオンラインを使うという考え方。
一方で、中国や米国の一部の都市では「オンライン=主、オフライン=従」という現象が起きています!
このような世界や世界観をアフターデジタルと呼んでいます。
どういうことか、詳しく説明しましょう。
モバイルペイメント+IoTの世界
まず、アフターデジタルの世界の企業に取って、店舗とはあくまでも「顧客との接点のひとつ」。
真の目的は、オンラインに顧客を呼び込みつつ購入してもらうことです。つまり、オフラインはひとつの接点にすぎません。オンラインをさらに便利にするためにオフラインを活用するという考え方をしています。
まだ意味不明かもしれないので中国を例に説明します。
中国ではモバイルペイメントが主流です。ですから、店舗で行われる購買行動はオンラインデータになりIDに紐づけされます。また、店舗にはIoTやカメラがくまなく設置され、顧客の一挙手一投足がデータとしてIDと紐づけられます。つまり、オンラインとオフラインの行動を組み合わせて一つのデータとなります。
言い換えれば、すでにオフラインだけで完結する世界が存在していないのです。
顧客データ分析のPDCAを回せない企業は競争に負ける
なぜこんなことをしているかというと競合他社との競争が熾烈だからです。「接点頻度を高くしてデータを活用できなければ相対的に魅力的でなくなり他社に負ける」からです。
何のデータも取れない商品を売っているだけでは顧客行動の変化をとらえきることができません。
「大量の顧客データ→→分析→→サービス改善に還元→→さらに多くの顧客データ→→分析→→…」という改善ループをいかに高速で回せるか。
これがこれからの競争原理になります。
・・・ここまで他人事で説明してきましたが、わたしもはじめて読んだとき衝撃を受けました。
いやいや世界進みすぎだろ・・・
こんな世界だとしたら従来の発想のままで勝てるわけないじゃん。。。どうやら今話したことはすでに中国で起きていることらしいです。
もうアフターデジタルの世界ではオフラインのリアルな世界がデジタル世界に包含されているのです。
■アフターデジタル世界ではメーカーは下請け
アフターデジタルが普及すると世界はどう変わるのでしょうか。
この点については著書の記述をそのまま引用します。
これからは顧客接点を多く持っているプラットフォームが偉くなり、単にモノを作っているだけのメーカーは「接点のうちの1つ」となる商品を提供する下請けになります。
この新しい構造変化を、私たちは「バリューチェーンからバリュージャーニーへ」という言葉で表現しています。この構造変化は過去30年の企業の株式時価総額の変動を見ても明らかでしょう。
いろいろと積年の謎が解けた瞬間でした。
僕にはなぜAmazonをはじめとするITプラットフォームの時価総額が他のメーカーに比べて10倍近くも高いのか意味がわかりませんでした。
しかし、この本を読んでようやく意味がわかりました。
つまり、アフターデジタルの世界ではメーカーは下請けになりかねません。だからメーカーの時価総額が低くなっていたのですね。
今までとは全く異なる構造に変わっていることにようやく気づきました。
では日本企業が変わるためには
本書の趣旨はわかっていただけたかと思います。
でも、サラリーマンの方ならこう思う方もいらっしゃるかもしれません。
自分の会社がアフターデジタル型経営になるためにはどうすればいいのか
この難しい質問についても本書では大変わかりやすく答えてくれます。
変革ラインを作って目線合わせをする
中国では組織上部に権力が集中しているので、経営者がトップダウンで意識変革することで企業は変わりました。
しかし、著者によると日本企業ではボトムアップ型のほうがうまくいくそうです。
ボトムアップ型とはどういうことかというと、小さい成功事例をコツコツ積み上げ成功を大義名分に会社全体を変革するのです。
変革がうまく進んでいる企業はトップが大号令をかけるのではなく、社長以下の特定の役員・部長・現場の「変革ライン」が1本線でつながっているそうです。
変革ラインが同じセミナーを受け、同じ視察に行きアフターデジタルのイメージを共有します。この目線合わせが重要で、イメージを共有することで上長が変革する意思をもつそうです。
小さくてもいいから早く明確な成果をだす
また小さくてもいいから早く明確な成果を出すことも重要です。成功することで大義名分ができ、右に倣えとムーブメントが全社的に広がっていくからです。
ここまで読んで「なるほど」と深く感嘆せずにはいられませんでした。確かにこれなら成功しそう・・少なくとも頭に成功した未来をイメージできます。
しかもこのような小さな活動でよければ、末端の自分にもできるかもしれません。
本書は決してただの頭でっかちな理念書ではなく地に足がついた実践可能なバイブルなのです。
おわりに|「アフターデジタル」は社会人必読です。
以上、ほんの一部ではありますが、「アフターデジタル」の紹介でした。
本当に既成概念を覆されるというか、今までの常識が覆ってしまうような本です。
[wpap service="with" type="detail" id="4296101625" title="アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る"]
社会人の方なら読まなきゃ損です。
この機会にぜひ一度読まれてみてはいかがでしょうか。
今日は以上です。