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映画レビュー

シン・ウルトラマンを見た感想【微ネタバレ有】

    先日この映画を観てきました。

    シン・ウルトラマン

     

    庵野秀明らしい洗練された作品だと思うと同時に、庵野監督の限界も露呈した作品だと思います。

    今日は「シン・ウルトラマン」について少し辛口にレビューしたいと思います。

    (若干ネタバレ含みますので、ネタバレされたくない方はここでブラウザバックしてください)

     

    ウルトラマンとは

    まずはウルトラマンについてざっくり説明したいと思います。

    ウルトラマンとは円谷プロ製作の特撮番組で1966年7月から1967年4月にかけて全国で放映されました。
    人類の味方として戦う巨大ヒーロー敵怪獣と戦う近未来的兵器・組織といった要素がさらに子供達の心を掴み大ヒット。
    平均視聴率36.8%、最高視聴率42.8%という怪物的な記録を残しました。(ピクシブ百科事典より)

     

    シン・ウルトラマンは現代社会を舞台に再構築した作品となっています。

    そのため、ウルトラマンの放映当時には存在しなかったものがたくさん登場しますが、
    一方でわれわれにとってはリアリティのある作品になっています。

     

    戦闘シーンが格好いい

    これはシン・ウルトラマンに限りませんが、ウルトラマンの最大の見せ所は「怪獣との戦闘シーン」です。

    当然シン・ウルトラマンでもさまざまな敵が登場しますが、映像の使い回しは一切なくどの戦闘シーンを切り取ってみても迫力があって素晴らしいです。

    2時間に満たない時間のなかで「よくぞこれだけ見応えのある戦闘シーンを観せてくれるな」というのが正直なところで、
    おそらく裏側では綿密に計算されて撮影されているんだろうと感じました。

    戦闘シーンが好きでない方でも大丈夫。ウルトラマンは表情や仕草で気持ちを伝えるのが上手です。

    老若男女にとって感情移入しやすく観客を飽きさせない工夫が施されていて流石だなと思いました。

     

    ウルトラマン(神)に救いを求める人類

    個人的に一番印象に残ったのはウルトラマンの登場前後での人間社会の変化です。

    作品の序盤でウルトラマンは外星人として人類の味方か敵かが不明な誰もよくわからない状態で登場します。
    そして敵か味方かもわからぬままなぜか人類の敵である怪獣をやっつけます。

    はじめは人類も困惑し人類の敵なのか味方なのか解釈も分かれてました。
    しかし、そのうちウルトラマンが人類の味方であることがわかってきます。そうすると人間社会に変化が現れるのです。

    というのもウルトラマン登場時点までは、人類は怪獣に対して自分たちでなんとかしようと対処してきました。

    「人類の敵は人類が倒す」と言う至極真っ当な思考です。

     

    しかし、ひとたびウルトラマンが味方だとわかると怪獣対峙のために異星人を頼りにしようと考えるのです。

    「人類の敵を異星人を使って倒そうとする」という非常に危うい思考に陥ってしまっています。

     

    これがなぜ危ういのか。

    一見、人類が直接倒すことに比べて異星人を使った方が直接的な被害は少なくなるように見えます。
    しかしながら当然それには副作用があり、異星人=人類ではないので異星人の考え一つで人類に危機的な状況が訪れます。

    そして、それを利用して、他の異星人が人類を攻略してくる様がリアルに描かれています。

    人類の弱いところがうまく描かれていると感じました。

     

    仕事人としての庵野秀明

    庵野ファンの私から見ると、この作品はエヴァンゲリオンとシンゴジラの中間的な作品だと思います。

    具体的にいえば、CGを交えつつリアリティを追求する描き方はシンゴジラに近く、
    ウルトラマン(エヴァ)という神様が人類を救うという構成はエヴァに近いです。

    当然同じ監督(シン・ウルトラマンでは脚本という役割ですが)なので、表現に似通ったところが出てきます。

    たとえば強敵と戦う際は禍々しい戦闘曲ではなくクラシックがBGMになります。

    また、登場人物が専門用語を早口で捲し立てるところもシン・ゴジラと同様です

    この演出は庵野ファンの自分にとっては親しみのある表現です。
    しかし、あまりに同じなので正直前も見たことあるな〜って印象が拭えませんでした。

    庵野監督の凄さは既成概念を打ち破る秀逸な表現にあると思います。
    もちろん、今回も登場人物の撮影アングルに若干の真新しさを感じたのも事実です。

    ただ、使い回しの表現が多くストーリーも読めてしまうため、サプライズ感は少し弱かったのかなと思います。

    円谷プロというクライアントがいる映画という点もあるのかもしれませんが、
    もうひとつ庵野監督には突き抜けて限界突破して欲しかったなというのが僕の偽らざる本音です。

     

    おわりに

    以上、シン・ウルトラマンのレビューでした。

    少し厳しめに書いてしまいましたが、非常にクオリティの高い作品であることは間違いないです。

    事実、一度も飽きることなくスクリーンに夢中になって見続けることができました。

    「シン・ウルトラマン」は特撮映画なので、臨場感を感じることでより面白く感じられる作品かと思います。

    今日は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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