どうも。
今日はわたしがかつて保有していた株のひとつ、高橋カーテンウォール(1994)の銘柄研究をしていきたいと思います。

画像は高橋カーテンウォールが施工したザ・ペニンシュラ東京です。
高橋カーテンウォールの会社としての知名度は皆無に近いですが、会社名にあるようにカーテンウォールを製造する会社です。
そもそもカーテンウォールってなに?って感じだと思うので、今日は事業内容を簡単に説明したのちに株価情報、リスクなどを説明しようと思います。
少々長文になるかと思いますが、お付き合いください。
株式投資は元本が保証されません。あくまでも投資は自己責任でお願いします。
カーテンウォールって何?
カーテンウォールとは取り外し可能な壁のことで、一般に高層ビルの壁に使われる素材です。
カーテンウォールといってもいろいろと種類があるようですが、高橋カーテンウォールはプレキャストコンクリート(PC)カーテンウォールのナンバー1企業です。
PCカーテンウォールについてはこの動画を見るとだいたいわかるのでオススメです。
PCカーテンウォールのメリットとデメリット
PCカーテンウォールの強みとしては、
- 工場で組み立てて運ぶことから、デザイン性に富んだ壁面をつくることが可能
- 軽量ながら構造的な耐久性もある
という強みが挙げられます。
そのため、近年のビル建築ではPCカーテンウォールが主流となっています。
高橋カーテンウォールでの施工実績としては
- グランフロント大阪(南館・北館)
- ザ・ペニンシュラ東京
- 横浜ランドマークタワー
- テラススクエア
など、有名どころの施設が数々挙げられます。
逆にデメリットとしては
- 1枚あたり数トンと重く、近隣の工場から生産・配送することが必要
なことが挙げられます。
高橋カーテンウォールは関東では工場を多く持つため、関東ではほぼ無双状態ですが、北海道や東北、九州には工場がないため、北海道/東北/九州では無力という点は押さえておく必要があります。
(関西には1つ工場があります)
株価面での評価
2022年5月26日時点の株価や主要指標は以下の通りです。
- 株価:504円
- 予想PER:13.09倍
- 予想PBR:0.4倍
- 配当利回り:3.97%
- 時価総額:48.14億円
グレアムのミックス指数(PER×PBR)5.23!
あくまで参考程度の指数ではありますが、指数的には大変割安な水準です。
配当利回りも3.97%と優秀な水準。
バリュー投資、高配当投資の両面から見てもなかなか優良銘柄と言えると思います。
本銘柄のリスク
最後に私が考えるリスクを考察したいと思います。
高齢化による建設業界人材難
まず、ひとつ。
これは建設業界全体に言えることですが、高齢化による建設業界の人材難というのはリスクとして挙げられます。
ただし、高橋カーテンウォールでは平均年収が優秀な水準で従業員数も年々増加中です。
新卒採用も行っているようで、高橋カーテンウォールの人材難リスクは他の建設業界に比べればまだ大丈夫と考えています。
景気後退によるビル建設ストップもリスク
もうひとつ挙げられるのは中期的な景気下落リスクです。
これはなかなか根が深い問題です。
直近では訪日観光客の増加や東京オリンピックによる建設ラッシュで高層ビル需要も旺盛です。
しかしながら東京オリンピックがひと段落した2021年以降には景気後退が予想されています。
実際、景気後退が起こるとカーテンウォール業界には大打撃です。
リーマンショック(2008)の例で見ると、数年間はカーテンウォールの新規受注がほとんどなくカーテンウォール業界に冬の時代が訪れました。
リーマンショックの影響はかなり大きく、数々の企業がカーテンウォール業界からの事業撤退を余儀なくされました。(おそらく「コンクリートから人へ」をスローガンとした民主党政権の影響もあったことでしょう)
今後の景気減速を考えると、高橋カーテンウォールも少し心配になってくるのも事実です。
ただし、高橋カーテンウォールは冬の時代を乗り越えてきた数少ない企業のひとつでもあります。
無駄な投資もそれほど行っていないですしリーマンショックから経営陣もほとんど変わっていません。
もちろん景気後退がどれくらい続くかにもよりますが、景気後退に耐えられる体力はあると私は考えています。
おわりに
以上、高橋カーテンウォールの事業分析でした。
注目されにくい地味な株ではありますが、堅実な事業を行っておりバリュー投資家にとっては悪くない銘柄だと思います。
ただし、直近の決算(2022年1Q)の数字はあまりよくないです。
ウクライナ情勢の物流難や受注減などがあったようで景気に左右されやすい業界である点は留意する必要があるのだと思います。
以上、銘柄研究でした。最後までお読みいただきありがとうございました。