こんにちは。
今日はBinance Futuresを勉強していきたいと思います。
Binance FuturesとはBinanceの先物取引所です。現物取引と先物取引はごっちゃではなく、きちんと分けられた設計になっています。
「先物取引とか勉強する必要あるの?」
とお思いかもしれませんが、実は勉強する必要があります。なぜかというと、ここ最近の傾向として、ビットコインの価格が先物主導で動きつつあるからです。
もともと株式投資などでは先物主導で株価が決定される傾向が強いですが、ここ最近では暗号資産にもその傾向がみてとれます。
ちなみに、先物価格の形成への影響力が大きい暗号資産取引所にBinance FuturesとBitmexがあります。
ただし、Bitmexは2020年4月に日本人NGになったので、実質的に日本人が触れるのはBinance Futures一択です。
つまり、「仮想通貨を触っている方ならBinance Futuresは必須知識」ということです。
勉強する意義についてはわかっていただけたと思うので、では早速本題に移りましょう。
箇条書きでわかるBinance Futuresの基本ルール
まずはBinance Futuresの基本ルールを説明していきます。
「ルールとかいいから有用なツール紹介はよ」という方はすっ飛ばして大丈夫です。ツール紹介は後半にあります。
ちなみに基本ルールの原典を読みたい方はこちらをご覧ください。
*あくまで僕自身の備忘録用の翻訳なので、翻訳ミス等の責任は一切追いません。実際にBinance Futuresを取引する際は必ずご自身で原典を確認するようにしてください。
Binance Futuresの基本ルール(以下、箇条書き)
- Binance Futuresは先物取引。先物取引と現物取引の一番の違いはその商品が受け渡される訳ではないこと。つまり、建玉しただけでは未実現損益にすぎず、建玉を反対売買することではじめて損益が確定される。
- Binance Futuresは差金決済。現時点で「現渡」のような現物決済の方法はない。ただし、将来的には可能になるかもしれない。
- 先物取引を行う上で証拠金を納め、また一定額の証拠金率を維持する必要がある。つまり、初期証拠金と維持証拠金の2種類の証拠金チェックがある。
- レバレッジは暗号資産によって異なり、最大50〜125倍。
- 先物取引の「限月」にあたるものはBinance Futuresにはない。(つまり無期限)
-
ただし、資金の借り手は貸し手に調達金利(funding rate)を8時間ごとに支払う必要がある。調達金利は変動金利。下図の赤枠を参照。
証拠金チェックおよびロスカット
- 維持証拠金の証拠金チェックは8時間ごと(日本時間で深夜1時/9時/17時)。証拠金チェックで計算に用いられるのは精算価格(mark price)。精算価格(mark price)の計算方法は以下のとおりである。・精算価格=指数価格(index price)×(1+ベーシスポイント)
・ベーシスポイント=調達金利×(保有時間/8[時間])
つまり、指数価格=10000ドル、調達金利0.03(3%)、保有時間4時間の場合、の精算価格は以下のようになる・ベーシスポイント=0.03×4/8=0.015
・精算価格=10000×(1+0.015)=10150
- 指数価格(index price)は以下の取引所の加重平均として計算する。
*ただし、中央値から5%以上の乖離発生した取引所の価格は含めない。
*システムトラブル等で価格が得られなかった場合も同様に含めない。
・Bitfinex
・Binance
・Huobi
・OKEx
・Bittrex
・HitBTC - 以下の証拠金維持率になった場合、自動的にロスカットされる。
- ロスカット時には精算手数料がかかる。手数料はBTCUSDTの場合は0.3%で、それ以外の場合は0.5%。
- 市場ですべてのポジションがロスカットできない場合、保険基金によってポジションが引き継がれる。
- ロスカットはFill and Killの即時注文として精算される
*小ロットポジションの場合、原則として全決済される。 - 精算が完了すると未処理ポジションは直ちにキャンセルされる。
保険基金
- 保険基金は顧客の口座の残高が0未満になったとき、損失を補填する目的で設立された。
- 保険基金では市場で精算できないトレーダーのポジションをBinanceが引継ぐ。
- 引き継がれたポジションはBinance自身がゆっくりと市場に売却する。
- BTCUSDT/ETHUSDTを除く保険基金は共通の保険基金となる。
- BTCUSDTとETHUSDTの保険基金は独立している。
これはBinance Futures独特のものですね。互助会みたいな役割をもちそうです。
カウンターパーティ精算
- カウンターパーティ精算は保険基金での精算でも追いつかない場合にのみ発動する最後の手段である。カウンターパーティ精算は利益が乗っているトレーダーが強制的に反対売買をされるというものである。
- カウンターパーティ精算の優先順位はレバレッジ率と未実現利益が高いほど、順位が高くなる。
これもBinance Futures独特のものです。
互助会でも助けられない時は稼いでいる人がツケを払う構造になっています。これは賛否ありそうですね。
有用なツールとその使い方
お疲れ様でした。本編へようこそ。笑
ではBinance Futuresで売買戦略を立てる上で有用なツールを紹介していきます。
以下で紹介するツールはBinance FuturesのInformationをクリックし遷移することで確認できます。
ツール1:調達金利(Funding Rate)
Binance Futuresでは調達金利を確認することが可能です。
調達金利が高いことは信用取引の需要が(現物保有者の貸出に比べて)旺盛だということを意味します。
調達金利が高くなってくると新規での信用取引の需要が減退してきます。(金利以上に稼がなくてはならなくなるため)
特に調達金利が突然高くなった場合には急激な需要減退が予想されるため、注意が必要です。
ツール2:保険基金残高
次に確認すべきは保険基金残高履歴です。
ここで重要なのは残高です。保険基金残高はロスカットの嵐になると急減する性質があります。
保険基金残高がショートしてしまうとカウンターパーティ精算のリスクが高まりますので、利益が乗っているトレーダーは早期に利確しましょう。
ツール3:Open Interest
トレーディングツールとして重要なのはOpen Interestです。Open Interestは信用取引の保有ポジションがどれくらいの金額溜まっているかを確認する指標です。
信用取引には限界があり、盛り上がりすぎるとバブル崩壊の引き金を引いてしまいます。逆に言えば、Open Interestはバブルが崩壊するタイミングを見極めるうえで有用です。
ツール4:ロングショートレシオ
ロングショートレシオです。
ロングショートレシオでは信用取引のトレーダーがロング(Long)とショート(Short)のどちらに相場を張っているのかを確認することが可能です。
つまり、投資家が上目線なのか下目線なのかがわかるわけですね。
ツール5:テイカー買い/売り出来高
テイカー買い/売り出来高です。
テイカーとは自分から積極的に売買するのではなく、Binanceに指値や逆指値を並べている人のことです。逆に、自分から積極的に売買しにいく(成行注文する)人をMakerと呼びます。
つまり、流動性を供給しているのが売り手/買い手どちらなのかを把握できます。
とはいっても、これだけで戦略を立てるのはなかなか困難です。
テイカー買い/売り出来高は他のツールと併用して考えることで、現在の市場は誰が動かしているのか?を多少推測できるようになります。
おわりに
以上、Binance Futuresの解説でした。Binance Futuresはツールも多く、かなりユーザ目線のサービスになっている印象です。
そもそもBinance自体を開設していない方はこの機会にぜひ。
【Binanceの口座開設はこちら】
Binanceは開設してるけど、Binance Futuresがまだな方はこちらから。
【Binance Futuresの口座開設はこちら】
今日は以上です。